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…あっ!
ルシエル!あっちに『願い星』が!
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えっ!ど、どこっすか!?消えちゃったっすか!?
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ああ…もう行ってしまったね。反射神経が鈍いよルシエル。
姿が見えてるうちに三回願いを唱えないと駄目って教わったじゃないか。
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あああしまった…!オレもまだまだ…修行不足っすね…。ガクッ。
…って、そりゃまた違う言い伝えっすよー!もー!
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あはは!
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…こら。冗談を言っている場合では無いぞ。
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はは…すみませんね、団長。
思った以上に手強い相手だ。笑わなきゃやってられませんよ。
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ああ…。厄介なのは瞬間移動だ。目撃してもすぐ逃してしまう。
気は進まないが、少しずつ疲労を蓄積させるしかあるまい。
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ううう…子ども相手って、やりづらいっすねえ…。
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…そういえば、お前達の友人は一緒ではないのか?
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焰月の事ですか?別々ですね。
彼女は傭兵ですから、自由に動くのが性に合うようで。
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あっ!オレさっき会ったっすよ!
魔物に出くわしたんすけど、横からサッと来てドサッと魔物をのしちまったんす。
あんな豪快そうな見た目して、俊敏に戦うんすねえ…。
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…ほう…。興味深いな、やはり手合わせを一度…。
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団長…またそれっすか…。
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はは…。
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ねえねえ。ノクスちゃんはお星様になんてお願いしようとしたの?
夢世界をくれー!って、もうゲームクリアしちゃうつもりだった?
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…あー。言っとくが、本気じゃないからな。
あれはアイツの力を見てみたかっただけだ。
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「願い星の伝承」の話は聞いていた。望みを叶える力、それがどれだけの物なのか…。
…あのガキ、試す前に逃げやがって。
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すばしっこいヤツで参っちまうよなァ。
オレァどーも、鬼ごっこにゃ気が乗らねェ…。
主様よォ。こんな遊びに付き合ってどうする?
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…そう言ってくれるな。
ただ破壊するだけでは無駄だと、お前は身に染みているだろう、ノワール。
まだだ…まだ今は、その時じゃない。
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満月の王国め…。
お前達の秘密、今度こそこの手で暴いてやる…!
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…朔ちゃんたち、上手くやってくれてるといいねぇ。
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メイランー!
そんな所で何してるの?もう帰りましょー!
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ごめん、先に戻っててちょうだい!
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? 門限までには戻るのよー?
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………………………えいっ。
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バチィッ!!!
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きゃあっ!
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…やっぱり無理よね、橋を渡るのは。
まだ前から七日経ってないもの…。
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………リンホン。
私…私、どうすればいいのかしら…?
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………。
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メイランの様子、ですか。
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ええ。最近、彼女に変わったことはありませんでしたか?
…願星様が光臨なさった時、何か言い掛けていたような気がするのです。
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冷静な判断があの時は出来ず…申し訳ありません。
改めてお話を伺おうとしても、口を噤まれてしまいまして。
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あの後なら、俺も会えていませんから。判りません。
その前は………。 …そういえば。
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星見祭が終わってから、少し機嫌が良くなったような。
…が、近頃は、依然よりも落ち込んでいます。
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ふむ…星見祭、ですか。
…これは、何か手掛かりがあるかもしれませんね。