コンコン、コンコン。
…ルボワ様ぁー！いらっしゃいましゅかー？

どうっすか？返事は…。

う〜ん…。そもそも、ここには確かにいるはずなんでしゅ。
でもお外に全然出ないし、扉も開けてくれなくて…。

ルボワ様！パンセレネの騎士団の方をお連れしました！
お話があるそうでしゅ！大事なお話でしゅ！
で…出てきてくだしゃい〜！！

どうしたものかなぁ…。

………パァン！

！　銃声か！？

ッ…！テメェは！

おお！ようやくお出ましだな「狩人」め！

全員、手を挙げて。動かないでください。
…グリーディ。まさかルボワ様がお前の愚策を存じ上げないと本気で思ったのか？

エールウウウウッ…！！

ガーハッハッハッハ！
…ボウズ、テメエ一人でこの数を相手に出来るってかァ？

道案内の狼一匹撃ち殺せば、狩人の使命は果たせますから。
…それと、人の話は最後まできちんと聞いた方がいいですよ。
僕は貴方達を迎えに来たんです。

武器を下ろせ、クロ。
おい。婆さんはオレ達に話をする気があるんだな？

これ以上森を荒らさず、ルボワ様に手を出さないと誓うならご案内しましょう。
断ると言うのなら…永遠にこの森を彷徨ってもらう事になりますが。

………なるほどな。

主様よォ。こんなヤツの提案に乗るつもりかァ？
ブッ潰してとっとと攫っちまいてェなァ…。

でもでもっ、攫う前にノーチェ達が迷子だよー！

そうだ。暴れ足りないのは解るが、またの機会にとっておけ。
案内してもらおうか！…どうも、狼じゃあ役不足らしい。

………チィッ！

……なんだい。随分と騒がしい日だね…。

ルボワ様っ！
よ…よかったあ…ご無事だったんでしゅね…！！

これ、泣くんでないよ。…心配掛けたね。
あたしはこの通り元気さ。ちいとばかし立て込んでいてね…。

お初にお目にかかります、ルボワ様。
私共はパンセレネが三日月の羽根騎士団一行。私は…

あんたが団長のアスセーナ。
後ろのあんたがルシエル、隣がリコリス。そうだろう。

…団長のみならず、我々の事もご存知なのですか？

お、オレそんなに有名になっちゃったんすかね…！？

馬鹿者。ルボワ様の異能をお忘れか？
…その通りに御座います。
「視て」いらっしゃるのなら、ご用件もお解りですね。

ああ。…けれどね、話は役者が揃ってからだよ。

馬鹿者。ルボワ様の異能をお忘れか？
役者…？

……ザワザワ……　……ガヤガヤ……

着きました。ここがルボワ様のお住まいです。

・

………！！！

お兄ちゃんっ！！

フルール！無事だったのか、良かっ…

………アルナディア！！

ひ、ひゃあッ！？

暫くぶりだな、騎士団め！
おっと…剣は下ろせよ。婆さんが口を閉ざしちまう。

…ッ！
これは…一体どういう事なのですか、ルボワ様！

…満月と新月がようやく揃ったようだね。
夢の話をしてあげよう。決して武器は振るうんじゃないよ。
森を荒らせば最後、皆時空の渦に閉じ込めてやるからね…。

　

　

＞＞後編２