………コソコソ………。

（お兄ちゃん…最近様子がおかしいでしゅ。
　お出掛けも増えたし、どこに行くかも教えてくれない…。
　…後なんてつけちゃってごめんね。でもでも、心配なんでしゅ…）

（…こんな森の奥に、いったい何の用事が…？）

…………開け。

ブォン！

………！？
き、消えた……？
え、え…今のは…なに……？
虹の門…じゃ、ないでしゅ…よね。黒い…暗い穴…。
………ルボワ様…ルボワ様に、お話しなきゃ……！！！

あんたも懲りないねぇ…いくら襲おうとしても無駄だよ。
この森が舞台である限り、あたしに手出しは出来やしないのさ。
いくら犬の脳味噌でも解るだろうに。

…グルルルルルル…。

そろそろ素直におなり。お茶会の椅子くらい用意してあげるよ。
フルールもあんたを友達だと思ってる。満更でも無いんだろう？

………グルゥ………。

…言葉も話せなくなったのかい。哀れな獣だね。
まあいいさ…これから必要になるのは達者な口じゃあない。
この森は護らなきゃいけないんだ。…あんたには番犬として働いてもらうよ。

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