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ビュオオオオオオオ…!!!
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……うへぇ。も、物凄い吹雪っすね……。
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道はかろうじて目視出来るけれど、すぐにでも遭難してしまいそうだね…。
団長、どうしましょう?
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……………。
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…団長?聞こえてますか?
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…あ、ああ。そうだな、このまま先に進むのも危険だ。
せめて何か道案内さえあれば…。
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まあ…。
貴方たち、そんな所で何をしているの?
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へっ? ……うわっ!!
き、キミ、そんな薄着でこんな吹雪の中…風邪引くっすよ!?
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……ふふっ!
私ならだいじょうぶよ。この体はもうとっくに冷たいから…。
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私はシードル。ガルニエクランの町娘よ。
女王様にちょっとお願いしたくて、お城へ行く途中なの。
ねえ、それで、貴方たちは?
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…城への道を知っているのか!
それはなんと好都合な…。
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我々は王国パンセレネに仕えし三日月の羽根騎士団一行。
………実はこちらも、ミロワール女王に用あって城へと向かっている最中なのだ。
しかし、吹雪に阻まれ…進むに進めず立ち往生していた。
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シードル殿。
宜しければ、我々の道案内を頼めないだろうか…?
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…ふふっ。私と一緒に行きたいの?
別に良いわよ、どうぞご勝手に。…着いて来れるならね。
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シュン!
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!? き、消えたっすよ…?
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ああーっ!!!
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ぽてぽてぽてぽて…
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ハァ…ハァ…ハァ…。
ま、また…置いて行かれちゃいまシタ…。
ウウ、待ってくだサイ〜シードルちゃん〜!!
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き、君は…?
今の娘さんの知り合いでしょうか?
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へぇっ!?
は………騎士サマがたくさんいるデス!
女王サマのお客サマ?わぁい、ようこそデス〜!!!
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ネージュはガルニエクランの小人さんなのデス。
恩あってシードルちゃんを幸せにすべくお仕えしているのデスよ〜!エッヘン!
騎士サマたちは、シードルちゃんにご用事なのデスか?
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私達は…ミロワール女王の城を目指しているんだ。
彼女も目的地が同じと聞いて、道案内を頼んだのだが…いきなり姿を眩まされてしまってな…。
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フムフム!
それならホラ、あそこに…。
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あら、まだそんな所で休んでいるの?
私は待ってあげないわよ。早くいらっしゃい!
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ああっ!?もうあんな遠くの方にいるっすよ!
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シードルちゃんはユーレイだから、すぐ姿を消しちゃうデス。
オマケにスッゴクまいぺーすで…追いかけるのも大変なのデスよ〜…。
でも、はぐれないように着いて行けば大丈夫デス!
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…たぶん。
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た、多分って…。…それは信用していいのかな。
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しかし、今は彼女を頼る他無いだろう…。
完全に見失わないよう、注意を払って進むとしよう。
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ガツガツガツ!
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…ん!これも中々いけるな…。
…こっちは、少々変わった味付け、だが……美味い!
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ムシャムシャムシャ!
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お…おお〜っ……うんめーケーキ……っ!
これ、姉ちゃんが作ったのか?スゲーなー!!
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へへ…気に入ってもらえたんなら何よりだべさ。
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御免なさいね、遠慮というものが無くて…。
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いーや!好きなだけ食ってくれっとオラも嬉しいべ。
行き倒れたオラを助けてくれたお礼だ!どんどん食ってくんろ!
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やぁったあ〜〜〜っ♪
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……ふう、ご馳走になった。
さて………これからの話をしようか、パティシエの娘。
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麓のここは何ともないが、アシェットセーヌ宮…女王の城を囲む山が、謎の吹雪に覆われてしまった。
主のミロワール女王は…何者かと怪しげな会話を交わしていた、と。
お前は、女王を助けたいんだな?
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……はいぃ。
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…我々アルナディアは、手紙に記された「真実」を追い求め、此処へ来た。
城へ早く辿り着くためには、導き手が必要だな…。
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パティシエの娘!お前がオレ達の案内をしろ。
その代わり、道中、魔物や敵から守ると約束しよう。
オレ達は案内人を、お前は庇護を。悪い話では無いだろう?
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…………!
い、いいんだべさ…!?
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うんうん!ウィなんとかの関係ってやつだよーっ!
城まで案内よろしくね♪パティシエちゃんっ。
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お、オラ、パルフェさ言います。
ガルニエクランでスイーツの店しながら、女王様にも菓子を献上してるです。
よろしくお願いしますだ…!!
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よし、決まりだな!
お前ら、出発の準備を整えろ!城へ向かうぞ!
【ここまでのあらすじ】
とある晩、パンセレネから女王セレナーデの姿が消えてしまいました。
一方その頃アルナディアでは、命からがら氷の王国ガルニエクランのパティシエ、パルフェが辿り着きます。
残され、託された手紙には、氷の王国からのメッセージが記されていました。
女王を取り戻すべく、真実を探し出すべく。
両陣営は吹雪の中、歩みを進めます。
【sideパンセレネ】
三日月の羽根騎士団は、謎の少女シードルと小人のネージュに導かれ、女王の城を目指します。
道中の魔物や敵に気をつけながら進みましょう。
NPCは「アスセーナ」「ルシエル」「リコリス」の3名が参加します。
サポートとしてこちらには「少女シードルと小人のネージュ」が付きます。
【sideアルナディア】
恩返しにパルフェのもてなしを受けたアルナディアは、彼女に道案内を頼み、女王の城を目指します。
道中の魔物や敵に気をつけながら進みましょう。
NPCは「ノワール」「ノーチェ」「ノイジー」「ブランシュ」の4名が参加します。
サポートとしてこちらには「パティシエのパルフェ」が付きます。
・両陣営の探索は同エリア、同時刻にて行われます。遭遇、合流はご自由に行ってください。
ただしクエスト自体は各所属のものを選択し進めて下さい。無許可での変更は出来ません。
・ゲーム中に出てくるイベントは作品のネタ作りに使って下さい。(忠実に再現・反映する必要はありません)
・今回のイベントは数日程度の出来事とお考えください。本陣への帰還、途中参加も可能です。
パンセレネ、アルナディア登録キャラクターの総獲得ptが両陣営合計〈3000pt〉以上でクエストクリアです。
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鏡よ鏡…この世で最も愛おしいものを、その身に映し給え…。
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ユラァッ…
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『この辺りは吹雪が酷いな…視界が奪われちまう。
おい、オレ達から離れるなよ!』
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…ふふふ。
安心せい、新月の王。今すぐ其方を迎え入れて差し上げようぞ…。
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…………………。
〈我が僕よ 目覚め給え〉…
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……………ん……………。
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………う、あ……………?
……………や、やだ………ぅあっ……………!!
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………?
どうした、フルム。寒いのか?
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は、離れっ… ……………!!!
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ブォンッ!
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……………うわっ!!?
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ブォン!
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………?
あら、ノクスはどこへ……………?
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…な、んだ… ここは…城か…?
…………フルム!お前の仕業だな!?
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…………グォォォン…………フシュー……。
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っ!!???
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御苦労であった、輪の化物よ。
其方の真の役目は今果たされた…誇りに思うが良い。
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お前、が……ミロワール、なのか………?
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…ふふ!
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カキィン!
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っ!体が凍って…!!
おい!何のつもりだ!離しやがれっ!!!
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恐れるでない…直ぐ、其方の心は安らかになる……。
さあ、妾の瞳を見て………。
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…う、ぐっ………!
………………………………………。
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逢いたかったぞ、新月の王…。
其方ならばきっと、妾の餓えを満たしてくれる…。
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…………ふふ、ふふふ……………!