コスタ・アマナ前編1/2 ジャウハラ前編1/2 幕間 後編1/2
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ザアアァァ…ザアアアアア…!!!
ザッパァァァン!!!
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うぉっ! …がぼっ!ごぼぼっ!!
……ぷはっ。 ひっ…はぁ… …お、溺れっ る、かと……思っ…!
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気を抜くんじゃない!大波に気を付けて進むんだ!
オーサルアトゥイは、魔女の加護により陸の生き物も呼吸が出来る海…と聞く。
…が、その力を失いかけた今…徐々に崩れ始めているのだろう。
我々が…【藍色の玉】を、奪ってしまったせいで……。
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え、えらいお怒りみたいっす…ね…。当たり前っすけど…。
………団長。オレたちのした事は、正しかったんすかね…。
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……………。
…我々に課せられた任務は、遂行した。
皆、苦労を掛けてすまない…。
これ以上海が荒れる前に撤収するぞ。
海底の虹の門へ急ごう。ルシエルははぐれた団員を呼び集めてくれ。
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…はいっす。
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……お許しください、海の魔女殿。
これもレム・ワールドを救う為なのです…。
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ザアアアアア…!!!
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クソッ!ますます荒れてきやがったな…。
………仕方ねぇ!野郎共、撤収だ!
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みんなーっ!とりあえず魔女さんの宮殿に避難してーっ!!
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ノクス様っ!
はぁ…はぁ…。皆様、ご無事でしょうか…!?
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クレタか。オレ達は…アルナディアはこの程度、屁でも無いさ。
それよりこの大嵐は、どうなっちまってるんだ…?
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…オーサルアトゥイから、かなりの数の【藍色の玉】が無くなってしまったようです。
アンネローゼ様の体調も…どんどん悪くなって…。
……どうしましょう、このままじゃ……アンネローゼ様は……!
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………!!!
…ちくしょう!パンセレネめっ……!!
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あっはっは!見てごらんセバスチャン、この大荒れの海を!
さぞ魔女は苦しんでいるだろうねぇ。ああ、可哀想に…ふふっ。
うーん…でも予想以上に【藍色の玉】の集まりは悪いねぇ。
セバスチャン!…これはどういう事かな?
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そ、それがですな王子…。
魔女の味方にアルナディアが着いたようで、その抵抗が激しく…。
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アルナディア?…あいつら、こっちにも手を回していたのかい。
ふうん。まあ…海を荒らす役を自ら買ってくれた…とでも思おうか。
さぁて…僕も仕事しなくちゃね。セバスチャン?
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はい王子。準備は万端でございますぞ!
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そうさ…この閉ざされた世界に今必要なのは、エンターテインメントなんだよ。
人々が湧き、喜び、歓声を上げる新展開を提供しなくちゃね!
さあおいで!ショータイムの幕開けだよ!
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………………。
御機嫌よう、海の王子よ。
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ふうーっ!
…やあああっと出番かよー!待ちくたびれたぞーっ!!
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やあやあいらっしゃい、盗賊団諸君!
歓迎するよ。我が建国祭の「招かれざる客」としてね…。
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いやはや、リゾートホテルを提供出来ないのが心残りですなぁ…。
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抜かしおる。ふざけた御託などいらんわ。
魔女の様子は如何だ?
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なんだ、君がそんな事を尋ねるのかい?
海面を見れば判るだろう。海はあいつそのものなんだから。
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………。
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まあ…いずれにせよ、攻め込んで来るのはもう時間の問題だね。
開会式にキッチリ時間も合わせたかったんだけどねぇ。
欲張りな騎士団くんが余計な申し出をするものだからさぁ…。
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おーい!
そんでよぉ、「穴を開け」たらオレっち達はどーすりゃいいんだ!?
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ブルカーン盗賊団の皆様には、オーサルアトゥイで存分に暴れ回って頂きます。
なぁに、日頃なさってる襲撃と同じと思ってくだされば!
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君たちの役目は、「パーティの襲撃者その2」さ。
オーサルアトゥイの魔女共は必ず建国祭を荒らしにやってくる。
そこに因縁を持つブルカーン盗賊団も現れて、両者が争う…。
僕は厄介者の魔女を排除したい、君は魔女と勝負し、打ち負かしたい。
実に合理的で素晴らしい案じゃあないか!
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…我らが勝利を治めた暁には、オーサルアトゥイの土地はブルカーンの領土となるのだな?
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ああ、好きにしてくれていいよ。君たちへの報酬さ。
島は切り離すけどね。悪名高い盗賊団と地繋がりじゃあ、リゾート地の価値が下がっちゃう!
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…ふん。いけ好かん小僧め。
まあ良い…存分に利用してやろう。
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じゃあ、宜しく頼んだよ。
海の上は…コスタ・アマナには指一本触れさせやしない。
あいつの海底をめちゃくちゃに荒らしてやるんだ!
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いよぉっし!いっくぞーっ!!
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ブワンッ!
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ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!
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っ!?
な、なんだこの地響きは…!?
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………いやな波導を感じるっすよ!
みんな!伏せるっす!!!
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きゃあっ!?
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ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!
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……この震動は…あの夜の…!
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ブゥン!
ブゥワァアアアァン…!!!!!
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…………こ、これは…………一体………?
ここは…海底、か?それとも…砂漠なのか…!?
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わ、わ…わかんねっす…。
オレの前は、一面の砂漠で、でも、振り向くと、団長が海の中に…???
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………い……おおい…!
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!? ロジエ殿…!?
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………アスセーナ!
皆、無事か!?
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…し、至急、点呼致します!
団員の皆、私の元へ集合してくれ!
…我々の身に、今、何が起こったというのだ…?
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…とりあえず無事みてェだなぁ、テメェら…。
しっかし、一体何がどうなってやがんだァ?
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…解らないわ。私達も気が付いたら周りがこうなっていて…。
ジャウハラの市街地で【夢の結晶】を調べていたのだけれど…。
急に空に穴が開いて、空間が歪んで…。
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ジャウハラと、オーサルアトゥイ………。
……2つの夢島が、「繋がった」のか…?
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でもでも、夢島同士のドッキングって持ち主の了承あってこそのものでしょー?
それにフツーはこんなグッチャグッチャに混ざんないよー!
ちゃーんと海は海、砂地は砂地になるハズ…。
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普通なら…。
レム・ワールドの空間を司る神、ペルラの法則に従えば、そうなるな。
しかし…… ………ん?
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キィィィン…
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(……みなさん。聞こえますか…?)
(ワタシです。エメです。念波で、皆さんに今語りかけています…。)
(この異常事態について、ワタシからお話があります。)
(海底の宮殿に、集まってください…!)
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ざわざわ…。
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…エメ!
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皆さん、お集まりでしょうか。
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おう。アルナディアはここにいるぜ。
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パンセレネは三日月の羽根騎士団、ここに。
…やはり駆けつけていたな、アルナディアよ。
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はっ!オレたちを出し抜こうなんざ考えが甘いんだよ。
にしても、抜け駆けとは騎士様の風上にも置けないよなぁ?
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やめてくださいっ!
…今は争ってる場合じゃないんです。ワタシの話を聞いてください。
ワタシ達が今いる、海と砂漠の混ざった異空間…。
コレは間違い無く、コスタ・アマナとオーサルアトゥイと…ジャウハラの夢島です。
何らかの原因で不正に混ざり合い、こうなってしまったと思われます。
理由は…まだ、わからないですけど。
でも、正規の…ペルラさんの能力によるくっつき方ではありません。ソレは確かです。
そして………。
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ドガァァン!!!
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カ”ア”ア”ア”ア”……!!!
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きゃああーっ!!!
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………空間が繋がったことにより、ジャウハラの民が流れ込んで…
オーサルアトゥイを襲撃し始めています。
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だーっ!それは見ればわかるっすよ!
ほっとけないっす!今すぐ助けないと…!!
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盗賊団はジャウハラの住民を操り、兵士として使っています。
倒れても倒れても彼らは起き上がってくる…。闇雲に戦っても終わりは見えません。
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【夢の結晶】に毒された住民達が…。
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ハイ。解決するには、大元をなんとかしなくちゃ…。
…おそらくこの異変は、コスタ・アマナの王子が黒幕です。
彼の装飾品である赤い宝石に、強力な【夢の煙】が取り付いています。
王子の異能は「自分の気持ちを他人に共有させる」モノ…。
彼に近づいた者は、無意識に洗脳され、その通りに動いてしまいます。
その能力は今、【夢の煙】によってより強力になっているんです。
建国祭に魔女が襲ってくるコトを逆手に取り、滅ぼすつもりなのでしょう。
そのために因縁のある盗賊団をたぶらかし、争わせるよう仕向けた…。
ワタシ達は【夢の煙】を追った結果、巻き込まれてしまったのです。
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……なるほどな。
つまり、その王子の宝石を奪えばいいんだな?
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…ワタシの予想に過ぎませんが、きっと。
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エメ殿、その王子は今どこに…?
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【夢の煙】の気配は、この空間の中に感じます。
海底のみを異空間に巻き込むつもりが、海上のコスタ・アマナも混ざってしまったのでしょう。
皆さんの新たな「競争」は、この空間の中で「王子を探し出す」コトです。
そして宝石の【夢の煙】を取り返してください…!
【ここまでのあらすじ】
海の王国「コスタ・アマナ」と砂漠の王国「ジャウハラ」。
2つの夢島が、何者かの手によって1つに混ざり合ってしまいました。
困惑する三日月の羽根騎士団とアルナディアを、エメが導きます。
それは王子の宝石を追い求める、新たな「競争」の提示でした。
【第3章 戦嵐の宝玉/後半戦】
パンセレネとアルナディアどちらの陣営の総獲得ptが多いかにより、後編の内容が分岐します。
ptは前半戦から引き継ぎいたします。
クエストクリアのノルマ〈2000pt〉に両陣営合計で達しない場合は、第3章はBADENDとなります。
なおノルマを超えた場合、以下のptごとに追加報酬が発生します。
〈3000pt〉を達成すると、【第4章】以降使用できるアイテム①が配布されます。(※追加ボーナス)
〈4000pt〉を達成すると、【第4章】以降使用できるアイテム②が配布されます。(※追加ボーナス)
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コツ… コツ…
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…まあ、いらっしゃいまし。
お外の様子は如何かしら?商人様。
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フフ…中々愉快な光景ですよ。
姫様も「囚われの役」で無ければ今すぐにでもご覧になられたでしょうに。
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ええ、全く。損な役回りですこと!
少しは期待しておりましたのよ。素敵な騎士様がわたくしを連れ出してくださるかもと…。
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おや?可愛らしい一面もお持ちなのですね。
私が騎士ならその手を取らせて頂けたのですが、生憎商人でして。
実に惜しい…上手く行かないものだ。
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ふふ。その分「物語」が上手く運べばよろしくてよ…。
…はぁ。なんだか随分、この時を待たされたような気がいたしますわ。
もうすこし…もうすこしで、魔王様がわたくし達をお救いなさる。
夢世界の素晴らしい幕引きは、もうすぐそこに…!
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お待ちになってください。
お供いたしますわ、ノクス様。
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…外は危険だ。お前はアンネローゼの側に付いてやれ。
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アンネローゼ様にはローレライ様が付いてらっしゃいます。
わたしは…わたしに出来ることを、しなければ。もし、フィリップ王子を見つけたら…。
あのお方の命を奪います。
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…!?
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苦しみから解き放たれるには、それより方法が無いのです。
アンネローゼ様が復讐を誓われた時から、わたしも決心を固めておりました。
お願いします。その機が来たら、この手で全てを終わりにさせてください…。